2005年08月25日

ファットシリンダー その1

太った。という言葉を英語でいうとファットFATだそうで、
ファットシリンダーとは、そのまま太ったシリンダーという意味です。
アンティークオルゴールの歴史を振り返ると、ディスクオルゴールより前にはシリンダーオルゴール全盛の時代があって、シリンダーオルゴールはどんどん進化していきました。
最初は1曲というか2小節ぐらいしか演奏できないオルゴールから始まって、2曲、4曲、6曲・・
とだんだん増えていったようです。
でも、曲を多く演奏しようとするとシリンダーの長さが長くなると同時に、櫛歯(コーム)も長くなってしまい、おそらく限界がきたのだと思います。
そして、今度はシリンダーを倍の太さにして、1周する間に2曲演奏することを考えました。
つまり、2曲×2、4曲×2、6曲×2という具合にシリンダーの径を変えることによって曲数を増やしていきました。最大15×2=30曲というオルゴールもあるそうです。
こうすることにより、自由に曲数を増やせるディスクオルゴールに対抗して、シリンダーオルゴールの生き残りを果たそうとしたという歴史があります。

posted by harpmaster at 02:53| Comment(4) | TrackBack(0) | シリンダーオルゴール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。いつも勉強させてもらっています。
名村氏の「オルゴールは夢仕掛」という本を見ると、1回転で4曲演奏できるオルゴールもあるそうですね。KONISHIKIクラスなのでしょうか。
ところで、ファットシリンダーはキーワインド型のものも多数ありますので、曲数を増やすために、櫛歯の間隔を広げるのとシリンダーを太くするのはほぼ並行して進んだのではないでしょうか?
また、ディスクオルゴールへの対抗としては、インターチェンジャブル型(特にメルモ社の互換性の高いタイプ)はともかく、ファットシリンダーを「生き残り方策」としてしまうと、その全盛期と時代が合わない気がします。
Posted by ニコル at 2005年08月25日 04:51
こんばんは、ニコルさま
KONISHIKIクラスは凄い表現ですね!
おそらくシリンダーの太さは普通のファットサイズで曲の演奏の長さが短いのだと思います。
普通のシリンダーでもハーフで2曲入っているものも
あり、マザーグースなどの短い曲は1周で2曲入れていたものもあるようです。
ちなみにトーレンスでも6曲のタイプで、3回のシフトで3×2のものがあります。
MFの12曲の小型オルゴールも普通のシリンダーでした。
Posted by harpmaster at 2005年08月26日 00:31
>櫛歯の間隔を広げるのとシリンダーを太くするのはほぼ並行して進んだのではないでしょうか?

コームの間隔を広げたタイプはかなり初期にできていましたから、やはりシリンダーを太くして、1周の半分のところでストップが聞くようにしたりする装置が大変だったのかも知れません。
おそらく、ニコルさまは、文献を沢山お持ちだと思いますので、もしその辺がわかれば教えてくださいね!

生き残りについては、多くの曲を演奏できるオルゴールが多く売れるようになり、少ない曲や音数の少ないオルゴールは売れなくなった。といくつかの本に書いて有ったと思います。そこに、インタチェンジャブルや、ファットシリンダーが出てきます。
でも、ニコルさまのおっしゃる通り、対抗するために編み出されたものではなく、自然にそういう流れになっただけですね!

Posted by harpmaster at 2005年08月26日 00:41
こんばんは。

> おそらくシリンダーの太さは普通のファットサイズで曲の演奏の長さが短いのだと思います。

なるほど・・・。言われてみれば、そのとおりですね。普通のファットシリンダーが直径9cm位ありますから、てっきり20cm近くの太さのシリンダーなのかと思ってしまいました。

> コームの間隔を広げたタイプはかなり初期にできていましたから、やはりシリンダーを太くして、1周の半分のところでストップが聞くようにしたりする装置が大変だったのかも知れません。

私はこの点に関して、次のように考えていました。
1)シングル・トゥース→セパレート・ティース→コームという流れから見ると、大きな櫛歯を作るのは技術的に難しかったのではないか、と考えられること、
2)同じ8曲入りでも、櫛歯の間隔の狭い4曲×2回転は古いものしかないのに、間隔が広い1回転のものはその後もずっと作り続けられたこと、
3)隙間の大きな櫛歯を作るというのは、一種の「コロンブスの卵」的な発想の転換が必要なこと
などから、初期の頃は大きな櫛歯を作るのが難しかったので、シリンダーを太くしたが、その後、大きな櫛歯を作る技術&ノウハウが確立したので、間隔の広い櫛歯が普及したのではないか。ただ、曲数の多いものについては、
a)やはり大きな櫛歯を作るのは難しい(音質や形状のコントロールが難しい)とか、
b)大きな長いシリンダーを狂いなく作ることが難しい、
というような理由で、ファット・シリンダーが用いられたのではないか、と思います。

なお、1/2回転でストップすることは、技術的に難しいことはないと思うのですが・・・。(半回転ごとに、ストッパーの切れ込みを入れるだけではだめなんでしょうか?)

この辺については、あまり文献でも詳しいことは分かりません。

またファット・シリンダーそのものが、長時間演奏を目的にしたのか。曲数の増加を目的にしたのかはっきりしないのですが、すくなくとも残存するオルゴールを見る限り、曲数のニーズの方が高かったようですね。
Posted by ニコル at 2005年08月26日 22:50
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